お久しぶりです、木緒です。
すっかり季節も秋になり、いよいよ『あきくる』の話題に
ふさわしい頃合いとなりました。
というテキストを昨年の秋に書いたまま、
実に一年近くも放置しておりまして……。
気がつけば僕と渡辺さんは別のソフトのシナリオを書いたり
別の仕事をしたりドカコックの装丁をしたり鹿と戯れたり
心ぴょんぴょんしたりしていたのですが、すっかりすみっこの
方とは縁遠くなってしまっておりました。
しかし時間は無情に過ぎて参ります。
なつくるが好評を博し、ありがたくも再びアワードで
賞を頂いてから、すでにかなりの時間が過ぎておりました。
元々、変則的にお話を頂いたすみっこソフトの
お仕事でしたが、当然ながら愛着はあります。
何か作らなければ、という思いは常に抱きつつも、
次に何かを、というのはなかなかに難しいことではありました。
というのも、前二作の高評価により、
今回のハードルは開発前から上がってしまいました。
そんなこと気にしなくても、といくら言われようとも、
どうしても『その次』という肩書きはついて回ります。
元々、渡辺さんの考える何か面白いもの、をゲームとして
作っていくスタイルを続けていたのもあって、
まずコンセプトを決めるところから話は始まりました。
その結果、今回は前二作とは違うところから
コンセプトを作っていこうということになり、
以下のことが決まっていきました。
・エロゲーを作ろう
・恋愛を軸に考えていこう
・そこに渡辺さんの思う面白いものを
・ひらがな7文字タイトルで「あき~」は無しで
・モチーフとして秋の要素は入れよう
だいたいこんな感じだったかと思います。
そしてここから渡辺さんの奮闘が始まります。
前二作は、制約こそあれ渡辺さんの自由な発想から、
作りたい物を作れる環境にありました。
それが今回は、ある程度の制約があった上での
制作となります。当然ながら筆はなかなか乗らず、
一度書いた序盤を渡辺さん自身で総没にしたり、
これ本当にできるのかしらと不安にもなりました。
ところが、まさにこの夏に差し掛かろうというある日、
渡辺さんと電話している最中、「すみっこの、いける」
と前向きな回答がありました。そして、そこから
つらつらと聞いていったアイデアはとても面白く、
前二作とは違った形で魅力的なゲームになりそうな、
そんな予感が十分に得られるものになっていました。
今作はイラストも笹井さんに加えイチリさんも参加し、
その他のスタッフ編成も前二作とは少し変化しています。
ただその変化は、きっとこれまでとはまた違った形での
面白さを届けられるんじゃないかという予感がしており、
今のところは概ね当たっていると思われるところです。
これから年末にかけて色々と情報が出てくるかと
思いますが、また変なことを企んでおりますので
ぜひともご覧頂けますよう、切に願います。
ちなみにまだタイトルは決まっていません。
『あき~』じゃないのは確かですが、
なんか季節っぽいのは入れていくつもりです。
それでは、今後とも何卒宜しくお願い致します。
すみっこ3rdProject、現在制作中です!
木緒なち