なつくもゆるるを作るにあたっての話

つくづく、幸せなことだなと。
いや、今回の『なつくもゆるる』の制作について、
振り返ってみるとそれに尽きるのだなあと思いまして。

今だから話せますが、『なつくもゆるる』は、
開発に入るまでに何度もピンチを迎えた企画でした。

萌えゲーアワードで高評価を得たとは言え、
その売り上げは3000本に満たない数。
しかも、話題として採り上げられることが多い割には、
実数に結びつくことがほとんどありませんでした。

そのようなメーカーの次の企画に、お金をポンと出せるほど、
ユルい会社はそうそうありません。仮にあったとしても、
そんな杜撰な管理をしている会社なら、
そもそも商売としてゲーム作りが成り立たないでしょう。

しかし、どうせやるのだったら、
評価された渡辺さんの世界を活かしながら、
更に面白い物を作りたい。

なので、今回はまず、お金を作ることと、
お金をどうやったら稼げるのか。それを考えました。

原画の笹井さんの特色を活かそう、
色味はこうしよう、服装はこうしよう、
様々なアイデアを出した上で、そこから取捨選択し、
ギリギリで損をしないペイラインをなるべく確実に
クリアできるラインを詰めていきました。
そして、やっと納得出来る構成が出来上がった段階で、
これなら出資出来る、と主要メンバーが納得し、
ようやく『なつくもゆるる』はスタートしたのです。

……とまあ、最近のご時世にふさわしい、
辛気くさいバックストーリーがなつくるにもあったのですが、
それでも、なつくるの制作は比較的楽しいまま、
進んでいった印象がありました。

それは、『ユーザーの方に望まれて作ることができる』という、
一点にあったように思います。

はるくるの発売後、実に長い期間にわたって、
ユーザーの方から根強い応援をして頂きました。
大きく実数に結びつかないとは言え、未だに関連グッズの
抱き枕やビジュアルファンブックが売れているという現象に、
ユーザーさんの愛情を感じないメーカーの人間などいません。
だからこそ、これを次に繋げないとという、
どこか使命感にも似た感情が、スタッフの中に共有されていて、
そこが無形の楽しさ、前向きな感情に至ったのではないかと思います。

実に当然のことながら、ゲームはお金を出して購入した
ユーザーさんの為にあります。
プレイして喜ぶのはユーザーさんの特権であり、
その基本を損なうようではいけないと、僕は考えています。

なので、自然発生的にユーザーさんの支持を得て、
そこから次回作への可能性が広がった今作は、
本当に、あり得ないぐらい幸せなゲームだと思うのです。

お陰様で、新生すみっこソフト第二弾作品、『なつくもゆるる』は、
無事に本日、発売日を迎えることとなりました。

今作の制作、発売にあたり、
制作にご協力頂いたスタッフの皆様、販社ラッセルの皆様、
各ショップのスタッフの皆様、
そして何よりも、応援して下さったユーザーの皆様に、
心からお礼を申し上げます。

『なつくもゆるる』は、楽しく、とても面白いゲームです。
ぜひ、ユーザーの皆様に、存分に味わってほしいと思います。

ありがとうございました。
そしてまた、次の季節でもお会いできることを、
心から願っております。

『なつくもゆるる』
企画・ディレクション・プロデュース
木緒なち

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)